「山口勝弘が描く 藝術文化雜誌『紫明』表紙の世界」概要
ワークショップ:「鏡の本」を持って街に出よう! 山口勝弘『リベール リベール』と秋の丹波篠山を歩く
ワークショップ:「鏡の本」を持って街に出よう! 山口勝弘『リベール リベール』と秋の丹波篠山を歩く
展覧会データ
会場:アートスペース電燈舎 (兵庫県丹波篠山市河原町175 能楽資料館2階,入場無料)
会期:2023年11月3日(金・祝)〜5日(日)10時 ~ 18時
主催:uroboros.research(八尾里絵子/北市記子/門屋博)
ワークショップ講師:齋藤さだむ氏
協力:藝術文化雑誌『紫明』編集部,丹波古陶館,篠山能楽資料館,山口裕康氏
助成:JSPS科研費 課題番号:20K00140、相模女子大学2023年度 特定研究助成費A
アートスペース電燈舎 入り口
展示デザイン
会場内はアーカイブ資料の特性を活かした見せ方を試み、5つのゾーンに分けて提示しました。各ゾーンの展示テーマと展示資料は以下の通りです。
A : 未完の作品構想などの関連資料 ----- 資料の現物及びコピーの展示
B : 表紙の原画を含むオリジナルドローイング ----- 原画展示
C : アーカイブ資料を体験的に鑑賞できるデジタルコンテンツ ----- インタラクティブ映像の投影
D : 藝術文化雜誌『紫明』全號を閲覧できる読書スペース ----- 雜誌52冊
E : ワークショップの記録 ----- ワークショップ現場記録としてのポラロイド作品
研究がスタートするきっかけとなった山口からの手紙 (A)
事ある毎に山口からFAXで送られてきた指示書 (A)
藝術文化雑誌『紫明』のための原画 (B)
設営した左側 壁(B)と、会場雰囲気にあわせた右側展示 (A)
テーブルにマウスを置き、それで映像を動かしながら鑑賞 (C)
『紫明』創刊から52號までを座って読めるコーナー(D)
ワークショップは座談形式で軽やかに始まります
「鏡の本」とインスタントカメラを持って河原町妻入商家群へ (撮影:齋藤さだむ)
ワークショップで撮影&講評後の作品を展示 (E)
ワークショップ:「鏡の本を持って街に出よう!『リベール リベール』と秋の丹波篠山を歩く」
【概要】
展覧会関連イベントとして、初日に写真ワークショップを開催しました。講師として招聘した齋藤さだむ氏は、かつて筑波大学で技官を務め山口との親交も深い写真家です。今回一般公募したワークショップ参加者は、主催者や齋藤氏の誰かと繋がりがあったため、とても和やかで温かい場作りができました。この状態は、2016年に山口がイマジナリウムについて書き残した「人間の集まりによる想像力のワークショップ」の実践といえそうです。
【ポイント】
このワークショップでは「鏡の本」を持って河原町妻入商家群を歩きながら撮影します。この「鏡の本」は、1975年の山口の作品『リベールリベール』をモチーフにしたもので、藝術文化雜誌『紫明』と同じ縦横サイズとし10点制作しました。『リベールリベール』は物質作品としてだけではなく、それを撮影することに作品としての意味があり、その状態を現代で追体験することでアートアーカイブとして成立させようという試みなのです。
藝術文化雜誌『紫明』サイズに再制作した「鏡の本」